JWL対応と重いアンテラ


bb1は右側にドライブスプロケット配置したエンジンを載せています。当然リヤホイールも右側にチェーン・ドブリンスプロケットを配置しており、純正のアンテラホイールにはJWLの刻印が刻まれています。
2年毎の車検にはこのJWLの刻印が無いと通りません。まあサイレンサーほどには純正刻印を確認された事はありませんが(^_^;)。
bb1に履かせている軽いMarvicはJWLの刻印はありません。スピトリのMarvicにはJWLの刻印がありますので、車種別の仕様別(ストリートとレース)なんでしょう。

元々のビポストには純正アンテラ(モノポストは3本マルケ)がかなり重量があるため、Marvicの予備に使えそうな出来れば軽いホイールを見つけてくるしかありません。
とは言え流用しようにも右チェーンの5.0インチのホイールはほぼ存在しません。
トライアンフ スラクストン1200RSは右チェーンの5.0インチホイールですが、車重が違い過ぎて流用出来そうもなく、車重の近いバイクから左チェーンのホイールを探すしかありませんでした。
Husqvarna Vitpilen701

時代の流れで欧州のバイクに採用されるブレンボ製造のキャストホイールのスポークが3→5→Y字10と細くなり回転方向の向きの無いホイールが増えてきました。
※実際にはホイールの回転方向はあるのですが、bb1では流用が出来ないので
しかし排気量の大きい単気筒エンジンを搭載したバイクに使われるホイールは4.5~5.5インチで、5.0インチホイールを採用するスポーツ系バイクはほぼモタードばかりでキャストでは無くスポークホイールが主流です。キャストは社外品(マルケジーニ製)で高価なものばかり。
bb1に流用出来るかどうかも判らない、しかも嵩張るホイールにお金は掛けられませんw
加えてスプロケットハブなどがセットで売られているものを探しました。
見つかったのはKTMのエンジンを使ったHusqvarna Vitpilen701の5本スポークのリアホイールでした。リム幅は5.0インチでJWL刻印ありです。
出来れば回転方向の判り難いY字10スポークがあれば良かったのですが、高かったので5本スポークになりました。回転方向の向きとは反対に装着します。
5インチホイールを採用していたのは690単気筒エンジンを搭載したDuke690シリーズとHusqvarna ロード系701シリーズです。ただし701は後期からスポークホイールに変わったので台数は限られています。また同じ5本スポークでも前期690ではハブダンパーが6ブロック仕様で後期690と701で5ブロックに変更されています。Y字10スポークになっても5ブロックが継続されています。リアのアクスルシャフト径はΦ25mmです。


このホイールを入手して真っ先に確認したのはチェーンクリアランス確保のためのリム外幅の測定でした。701のリム縁幅は146mmでした。Marvicは143.5mm。アンテラは145mmです。縁のリブの分幅広な感じです。装着するタイヤメーカーでタイヤの幅も変わりますが、クリアランスは問題無さそうです。
ホイールハブ計測中

純正のアンテラホイールとの大きな違いはブレーキディスクの取付面がリム端近くまで幅広になっている事。スプロケット座面~ブレーキディスク座面はアンテラ155mm/701は175mm。20mm近く外側に寄っています。キャリパーもその分外に移動します。
リヤホイール端のベアリングはホイールハブ側6205(25x52x15)*2個。
スプロケハブはKTMが6006(30x55x13)*2個並列の場合はハブダンパーが6ブロックの5本スポーク。Husqvarna 701は2018年式が5本スポークながらDuku690のY字10本スポークと同じで6206(30x62x16)の単列。ハブダンパーは5ブロック。
スプロケハブ側はΦ30→25内径レデューサーカラー付き、スプロケットは6穴520/PCD150mm。
ブレーキディスクは5穴Φ240mm/T5mm/ID107mm/PCD130mm。
アクスルシャフトΦ25mmは変わらず。
リヤアクスルナットM25の締め付けトルクは90Nm。ちなみにシャフト径はbb1はΦ20mm、701ホイールはΦ25mmです。
仮装着


ホイールにスプロケットと240mmディスクを取り付けてbb1に装着して寸法を測ってみました。
右アクスルカラーはΦ20mm/L30mmのフロント用を代用し、左アクスルカラーはMarvicに使っているΦ25mm/L11mmリングカラーを加えました。正確な計測を行うにはΦ20/25mmのカラーを調達しないといけません。市販の金属パイプは外径がΦ25mm丁度ですからカラー内径と同じで入りません。
測定結果


チェーンラインの基準はスプロケット座面~ホイールカラー端
ホイールセンターはリム幅の1/2にリム端~ホイールカラー端
リム幅 リム端-ス座 ス座-ホ端 ホ中-ホ端
701 146mm 24.5mm 20.5mm 118mm
Marvic 143mm 23.0mm 22.0mm 116mm
Antera 145mm 20.5mm 21.5mm 114.5mm
701はリム幅が広い上にスプロケット座面との距離が広いため、チェーンラインをあわせるとホイールセンターとのズレが気になりそうですが、実はMarvicはボルト高さの問題でスイングアームとのクリアランスを確保するためにアクスルカラーにシムを追加しています。
なのでスプロケ座面の距離はアンテラ基準に寄せれば、ホイールセンターのズレもそれほど大きくはならないと思われます。
bb1はドライブシャフトの固定方法がスナップリングで、既に4mmオフセットのスプロケットであり、701のスプロケ座面も厚みが無く、座面を切削する様な追い込み加工は難しそうです。
まずは仮でも良いのでΦ20mmアクスルシャフトにホイールを確実に固定出来る20/25インサートリングカラーと可能なら240mmディスクサポートを持つキャリパーを見つけて寸法を計測しないといけません。
見た目は

取り敢えず右側に11mmカラーを追加してシャフトを締め込んでスプロケット座面/チェーンラインを大体合わせました。
※左ウインカーは後で修正しておきましたw
後方からぱっと見た感じではタイヤセンターが車体中心から大きくズレている感じもなく良い感じです。
キャリパーサポート

bb1のリアディスクは外径230mmで、キャリパーはP32Fでキャリパー本体にネジが切ってあるタイプです。そのためスイングアーム内側から伸びる円筒形のカラーにキャリパーのサポートプレートと位置調整用のスペーサーと取り付けてキャリパーの位置を決めています。
ディスクはハブ側に引っ込む感じでキャリパーよりサポートプレートは外側になります。
84mmカニサポート図面

この701ホイールにキャリパーを合わせるにはサポートを外径240mm対応にして、キャリパー本体はサポートの内側にしないと寸法的に難しそうです。幸い最近の84mmブレンボカニキャリパーはスルーホールタイプなのでディスク径を合わせれば難しくは無さそうです。
テスト用キャリパーサポート

ディスク外径240mm対応でストッパー穴がシャフト中心からオフセットされたブレンボ84mmキャリパー用のサポートを探します。
右チェーンに合わせて反転させるのでスイングアームの上側にキャリパーが装着される車種を探してみると、見た目使えそうなDucati 999のキャリパーサポートと84mmブレンボキャリパーのセット品を見つけたので入手しました。

試しに仮留めしてみました。ストッパー穴位置が違うのでチェーンアジャスターを後ろに引いて装着。

横から見たら問題なさそうですが、サポートとストッパーの段差が干渉してキャリパーセンターは合ってません。サポートもしくはストッパーのどちらかで対策する必要があります。

キャリパーサポート

999のキャリパーサポートは鋳物で補強リブが凸状になっています。対してbb1の純正サポートは板状の凹形状です。

板厚もストッパー部10mm~シャフト部17mmに対してフラットな板状で、シャフト穴サイズはΦ30/27mmになっており、ストッパーが入る長円穴位置も異なります(画像の黒長円部)が、サイズは12mmと同じですから仮留め程度は可能です。
今回は84mmキャリパー本体が欲しかったのとディスク径Φ240mm対応したサポートを取付けられるΦ20mmシャフトを通す円柱状カラーの寸法を確認するためについでです。このサポートは検証・テスト用です。本番には使いません。
サポートストッパー

純正のストッパーはスイングアームのアクスルシャフトからオフセットされた位置にM12(P1.75)の特殊形状ボルトになっています。
サポートの入る頭径はΦ12mmちょいです。ストッパーの頭は段付きになっていますが装着したサポート自体はこの段付きの端から2mmほど離れています。
ブレーキディスクが外側にオフセットされた701ホイールと組み合わせた場合、サポート本体も外にオフセットされるため純正の段差が邪魔になりました。
まあDucatiのサポートを位置合わせするだけならM12の止めネジで代用出来そうです。
チェーン引きを使いたいならDucatiのサポートに長円穴を開けないといけません。
色々と長くなりそうなので、ホイールとブレーキ関連は記事を分ける事にします。
結局は

3台のバイクの足回り設定からホイール流用検討までやっていたら、良い加減面倒になってきたので、F650エンジンを搭載したATVのY字マニホールドを入手しましたw
ついでにFCR41の燃調キットも入手してFCR本体のO/Hも可能になりました。
フレームとの接触を回避するための中継アダプターの作成は必要そうですが、4本から3本に穴開けとΦ33mmのポートを掘れば良いだけなので楽にはなりそうです。
後はやる気だけ(^_^;)