bb1デッド・エンド・ストリート

還暦から再開するビモータ

bb1 ピボット修理完了

黒ゴム除去

リューター砥石を使ってフレームのピボット穴周辺に張り付いている黒いパテを削ります。

削れた時の臭いはゴムでした(^_^;)。ダンパー代わりに黒ゴムを貼り付けてたみたいです。Φ17/20,21,22のリングカラーを用意して入れて確認します。

長年の使用でゴムが擦り減った斜め45度にシャフトが当たって若干楕円に摩耗しています。

外径21mmは入りますが、外径22mmは入りません。ノギス測定ではΦ21.2~21.5mmで摩耗した楕円部で22mm位になっています。

色々調べる外径21.5mmのカラーはありますが、純正のインナーカラーがΦ14/18を流用するならΦ18/21.5mm/T13mmのカラーが必要になります。

ベアリング交換

両切りボルトとソケットと古いベアリングレースを使ってスイングアームピボットに2個と間のディスタンスカラーをまとめて押し出しました。

今度は冷凍庫で冷やしたベアリングを逆にピボットの底に押し込んでΦ14mmのシャフトに対応するΦ17→14のリダクションディスタンスカラーを入れて上からまたベアリングで蓋をします。

両切りネジはネジ山が潰れ易いため高ナットでネジ山に掛かるトルクを分散しておきました。

抜け止めのゼーガーリングをはめ込んでベアリング交換は完了です。

修理3案

純正の状態。黒い箇所がフレーム穴に貼り付けられた黒ゴムです。軸の規制はフランジナットの締め付けトルクのみ。ゴムが劣化すれば当然シャフトがズレて偏ったナットのフランジはフレーム穴に当たって割れる仕様(^_^;)

これで良いとか天才バ◯ボ◯か?w

1.追加カラー

修復方法は3案。フレーム単体にして穴を修復しないので黒ゴムを撤去して金属リングカラーでインナーカラーを補強する構成で修理案を考えました。

黒ゴムの代わりΦ18/21.5/T13mmの金属リング入替え。残りはそのまま。インナーカラーと同様にスイングアームピボットを左右から挟んで固定する役割も果たします。

単純に黒ゴムの置き換えですが、実際は経年劣化でシャフトの軸センターがフレーム穴とはズレてるためインナーカラーの嵌め込みが大変そうです。

2.ツバ付きカラー

フレーム穴の軸センターを保つためにΦ30/T1ツバ付きΦ14/21.5/T13カラーに変更。

フレームのピボット穴Φ30mmに合わせてツバ付きカラーを入れた場合、ツバの厚み分のシャフトのナットとボルトの嵌合部が不足します。シャフトの軸ズレでカラーの差し込みが大変。

3.シャフト大径化

ピボットシャフトをΦ17に大径化し延長したものに交換。ツバ付きカラー、ディスタンスカラー等をΦ17に合わせて新規作成。

大径化時にシャフトを少し長いものに置き換えますが、ピボットカラーが差し込めないので装着時に引っ掛ると軸ズレや落ちてしまう問題が大きいです。

Φ18/21.5/T13リング

発注していた金属リングが届いたので、純正のインナーリングと共に装着してシャフトを通しますが、やはり反対側に出たシャフトのセンターが後ろにズレてインナーリングが入りません。

まあ黒ゴムなら潰れてシャフトが動くんでしょうが、金属リングなので手でスイングアームを引っ張ってもほとんどシャフトが動きませんでした。手順を考えないといけません。

またフランジが割れた純正ナットに代わって規格品のフランジロックナットも購入しました。二面幅が19mmでミリサイズのソケットが使えます。ただロック機構は純正ナットより位置が高いのでネジ山には掛からないと思います。

エンジンマウント

bb1にはスイングアームピボット部を除いてエンジンマウント部が上下2箇所あります。

現状ピボットシャフトの軸がフレーム穴の中心からズレてるのはシャフトが通るエンジンケース後端とフレーム穴の軸が微妙に歪んでいる可能性があります。

とは言えエンジンを降ろすみたいに全てのマウント部を外して再調整すると大変ですから、今回は下側のマウント部のボルトを緩めて調整する事にしました。

カウルと燃料タンクを取り外してからエンジン下部をジャッキスタンドで支えておきます。

ナット装着作業完了

エンジンを支えた状態で下部のマウントボルトを緩めて半分ほど抜いておきます。

片手では作業が出来ませんので、スイングアームを横に引っ張るためにラッシングベルトを使います。ベルトの動きの邪魔にならない様にサスペンションピボットを外して右のステッププレートを外して右側のフレームとスイングアーム後端をラッシングベルトで結んで徐々に締めてシャフトをセンターに動かします。

十分隙間が出来たらインナーカラーを差し込んでナットを掛ければ作業は完了です。

ナットを締めたら後はラッシングベルトを外してエンジンマウントボルトを元に戻します。

ピボットナットの締付けトルクは60Nmにしました。左穴からシャフトを差し込んだ関係でナットが押すカラーを突き出しは目視で左が恐らく3mmで右は2mmほどと思われます。ナットからシャフトの突き出し量が違いますが、元が黒ゴムでシャフトがズレてた事も有って、スイングアームの左右1mmズレがチェーンラインのズレに繋がるか判断付きません。

右ナットがフレームに着底してない気もしますが次のメンテナンスはエンジン降ろす時にでも確認して調整する事にします。
上エンジンマウント部のシリンダーを吊っているシャフトのラバーブッシュも経ってる可能性が高いです。

復元中

部品を戻しつつ、動作に問題が無いかサスペンションを押して作動を確認します。
ちゃんとサスペンションはストロークしますが、何か随分とバネレートが上がったような硬さが感じられます。

黒ゴムの代わりに硬い金属リングに代わって余計な動きが無くなり力が逃げなくなったせいでしょうか? 流石にシャフトが歪んでるとかベアリングの動作不良は考え難いです。
取り敢えずプリロードを1/4回転ほど緩めて、伸/圧共に1クリック下げました。

明日試乗して動作に問題が無い事を確認します。

試走中

夏日の気温の中、近所をウロウロしてきました。
やっぱりリアの感触が変わってしまい、リアが下ってサスがストロークして動いた時の感触がわかり辛い感じ。黒ゴムの方が良く曲がってたとは言いませんが(^_^;)
暫くすれば慣れるかも。

ナットはちゃんと締まってる。65Nmで更に締直しました。

ただしフレーム面からのナット高さは左15mm/右16mm。ナットの座高は15mmなので右はナットがフレーム底面から1mm浮いてる計算になります。

しっかり左右のフレームに固定されていませんので、再度組付けをやり直します。

手順を見直して以下の手順に変更します。

1.エンジンマウントのサブフレームを取り外し、ピボットをオープンに

2.スイングアームピボットシャフトを均等に3mm突出しまで締め直し

3.サブフレームをフレームに取り付け

サブフレームとはエンジンマウントと燃料タンクマウントとスタンドを兼ねた黒いシャフトで左右のピボットフレームの間に挟まって固定されています。