スプロケット固定方式について
F650から流用したエンジンのスプロケットはスナップリング(サークリップとも)をシャフトの溝に差し込んで固定されます。奥にOリングが嵌ってスプロケットのスラスト方向の動きを規制します。
リヤタイヤが160/60を履くbb1では34mm厚のスペーサーを追加してスプロケットを外側出すオフセットスプロケットになっています。そのためスプロケットのスプラインに対してチェーンラインが若干斜めに掛かり長期使用時のスプラインのガタが影響しないか気になります。
また奥はOリングがシャフトの溝に嵌っていますがただのNBRにチェーンのバックラッシュによるスプロケットの動きによる圧力に長期間耐えられるとは思いません。現にOリングは半分に千切れてましたし。
一般的な機構とは思われずF650の後期型E169エンジンからはボルト・ナット式に変更になりました。しかしながらE169エンジンではナット方式に変更になっても奥のOリング仕様は暫く継続されていたみたいです。E169→R13になってからOリングは廃止されたみたいですが、ebayで販売されている中古部品をみてもドライブのシャフト形状は奥に入らない様な形状にはなっていません。
海外のF650フォーラムにはスプロケットが外れるトラブルから焼入れ鋼のシャフトにタップを切って脱落防止カバーを取り付けた人がいましたが、Oリングに圧力が掛からない様な仕様のスプロケットが作れないものでしょうか?
スナップリング種類
何時まで供給されるか判らない純正部品とは別にサイズ的に近いJIS規格品のスナップリングを入手して純正品に代わり流用出来ないか検討します。
入手したJIS規格品はオチアイの丸S形止め輪ISTW-19と同じくC形止め輪STW-19です。
両方ともに軸径18mmに取り付けるスナップリングです。
純正品との違いは規格品の板厚が1.16mmより厚い1.20mmになっています。試しにスプロケット非装着とスプロケット装着をしてスナップリングを装着してみると、溝に嵌りはしますがISTW-19は若干隙間が広い感じ。
クリアランス外径がリセス径と同じSTW-19はスナップが引っ掛かり嵌め込む事が出来ませんでした。無理に嵌め込むと逆に取れなくなりそうです。軸方向のスラスト荷重はS形はC形の2/3らしいのですがオフセットスプロケットのリセス径の制限からC形は利用する事が出来ません。出来ればスラスト荷重の高いC形を採用したいものです。
一度使用するとスナップリングは開いてしまうため再利用は出来ません。交換を考えるのであれば入手しやすいJIS規格品で数を揃えておきたいところです。
スプロケット問い合わせ中
他車種のスプロケットを調べていくとスプロケットにタップを切って表面にフィキシングプレートをボルト留めしてシャフトに固定する方式があります。XR600とかDR800もこの形式ですが、使用状況が過酷なせいかフィキシングプレートとシャフトの耐久性がよろしくない感じですが、シャフトに蓋をしてスプロケットが奥に行かない様にすればスプロケットのスラスト方向のガタによるOリングへの攻撃性は和らげそうです。
現在、以下の3点の追加加工でスプロケットの特注が出来ないかメーカーへ問い合わせ中です。
・凹み部直径の拡大
・タップ穴の追加
・ボス径の拡大
回答が戻ってくるまで暫く待ちです。