bb1デッド・エンド・ストリート

還暦から再開するビモータ

bb1 ステムベアリング

ステム取り外し

この前乗った時にステムの動きが気になったのでステムベアリングの確認のためにフロント周りを分解します。

bb1はステムシャフトが上ベアリングに軽圧入されており外すにはステムシャフトを叩いて抜く必要があります。

軽圧入されたステムを叩くので安定した状態を作るまでフロント周りの取り外し作業が続きます。前後スタンドで車体を支えてタイヤ・フォーク・外装・タンク等を撤去してジャッキスタンドでエンジン下のケースを支えて準備完了。

アルミ板を当てがい鉄シャフトを叩いてクランプを押し出します。
取り外したステムは下ベアリング、ダストカバーリング含めて採寸して寸法を記録しておきました。

それから古いグリスを洗浄して、リチウムグリスだけだと少し柔いのでフィニッシュラインのテフロングリス混ぜてグリスアップ。取り敢えずフロントスタンドで支えるためのステムを戻すために仮組みまで。

シャフトに圧入されたテーパーローラーベアリングの外し方を調べます。最終的に友人から取り外し方を教えて貰いました。
長袖、長ズボンにも関わらず、夕方までに首筋とか耳を蚊に喰われ捲り(^_^;)。

下ベアリング取外し方法の検討

bb1ステムの取り外し方法ですが、ベアリングプーラーを使うにしてもダストカバーリング(Φ約53mm)とベアリングローラーリテーナー(Φ約45mm)との外周差が4mm/段差は2mmしかありません。両端から爪を挟み込むセパレーター型プーラーはダストカバーリングが邪魔で爪が入りそうにありません。

ハスコーのベアリングレースプーラーのロック爪ではリテーナー丸ごと咥え込む構造で爪とホルダー隙間では無理そうな感じ。

後で友人からテーパーローラーのリテーナーを壊して外し残ったインナーレースの取り外しはセパレート型リムーバーが使えると教えて貰いました。以前955iのステムでテーパーローラーのリテーナーを破壊してインナーレースだけにしてタガネで抜いた事を思い出して画像を探してみたら有りました。この形状なら爪を引っ掛ければセパレーターでインナーレースを持ち上げられそうですね。

交換準備中

bb1に使われているステムベアリングは内径26mm/外径52mm/厚み15mmのテーパーローラーベアリングです。

以前955iにCBR900RRのステムを組み込むために123bearingから購入した内径26mmのベアリングと同じものでした。Ducatiの旧900SSのステムにも使われています。
一番上の6205/26V16はボールベアリング。下2つはテーパーローラーベアリングです。当時の価格で上が9EURO/下が20EUROでした。

下ベアリングを外すために近所のアストロで中位のセパレーターを購入しました。

ベアリングレース取外し

フレーム側に装着されたアウターレースはベアリングリムーバーで打抜きます。

ベアリングのリテーナードレメルのカッターで切断してローラーを分解。次にステムシャフトに残るインナーレースをセパレーターの爪で挟み込んでレンガに載せてステムシャフトを上から叩いて押し抜きました。

上側の同径Φ26mmの箇所もレンガを縦にして抜きました。ステムシャフトとダストカバーリングはポンチで廻り留めが施されていました。国産車の様に使い捨てじゃ無いところがベアリングをタガネとかで打ち抜く前提では無いでしょう。

右の古いベアリングはポーランドのFLT製CBK-171。新しいベアリングはドイツのSKF製639172と互換品の安いGBM製のCBK-171を組み合わせます。

しかし互換品のGBM製CBK-171が長期間保管で何処かが錆びた?のかグリス入れてもローラーが擦れて回りません。

当時SKF製が20EUROで互換品が9EUROなので価格也の品質かと諦めて、仕方なく古いFLT製のCBK-171のローラーを再利用しました(^_^;)。

次回購入する時はベアリングに互換品は止めておきます。

アウターレースの打ち込みに初めてシールドライバーを使いましたが、ホイールと違って斜めになったステムだとなかなか真っ直ぐに打ち込むのが難しかったです。

復元中

ステムを車体に組み込んで位置合わせをした後にフォーク・タイヤを組んでいきます。

軽圧入で予圧管理出来ないのでステムの動きの重さを診ながらプラハンでステムシャフトを微妙に叩き戻すを繰り返してダストカバーとトップブリッジを復元しました。

フォークの突き出しは47.5mmと微増。余り上げると燃料タンクの底を擦る事になりかねません。

ステム比較

わざわざステムを外したので、何か流用でも出来ないかと保管してある他のステムと寸法を調べてみました。()はシャフト-クランプの材質です。

1.Bimota bb1 (鉄-アルミ)
2.HONDA CBR600F4i (鉄-鉄)
3.HONDA CBR900RR後期 SC33 (アルミ-アルミ)
4.SUZUKI TL1000S (アルミ-アルミ)

bb1以外は全てダブルナット・アンギュラーボールベアリングでトルク値で予圧管理するタイプです。結局のところステムシャフトの長さはbb1のステムの短さが際立ってしまいましたw。

元々bb1はフレームのステム部分の高さが約145mmしかありません。テーパーローラーベアリングの厚みが約15mmx2ですから上下に5mm位の隙間をダストカバーで補ってる感じです。こんな短いシャフトのステムって市販車には存在しない様な。
市販レーサーNSF250とかはフォーク径Φ43mmですがタイヤが2.50なんでフォークピッチが狭い(約174mm位?)です。
予圧管理の数値化を考えたらダブルナットとアンギュラーボールベアリング化を行いたいところですが、外径Φ52mmのアンギュラーボールベアリング自体が存在しません。現状ホンダのΦ26/47mmとΦ30/55mmが近いですが。

また剛性向上を考えたら下Φ30mmのベアリングを採用したいのですが、テーパーローラーベアリングしか選択肢がありませんし、打ち込むアウターレースの内径が広くなるため取り出す時にプーラーの爪が引っかからない可能性が出てきます。※倒立化した955iがまさにそんな状態w。
bb1のキャスター角をそのままにオフセットを減らしてトレールを延長したいのですが、現状はステムシャフトの上下ベアリング間の短さが流用を難しくしています。

正立フォークはまだしも倒立フォークだと上下のクランプ位置次第で固定が出来ない事も。ちなみにステムのオフセットは上から35/30/30/32です。

テーパーローラーベアリング比較

流用可能なシャフト径Φ26/30mmの短いステムシャフトが有ってもフレーム側に打ち込むアウターレースがブーラーで取り出せないと交換整備がかなり面倒になります。

そこで保管してあるΦ30mmのテーパーローラーベアリングのアウターレース内径とbb1のフレーム受けの内径を確認してみました。

1.SUZUKI純正部品(09265-30035)30x52x16のアウターレース内径41.7mm
2.SKF(639174)26x52x15のアウターレース内径40.6mm

3.bb1のフレーム受け内径45mm

一応、プーラーの爪が引っ掛かる余地はありそうです。

また厄介なのは下ベアリングのダストカバーは使い捨てでは無くステムシャフトに圧入されてそれなりの厚み(約5mm)でクランプから浮いてるため流用するステムも5mmほどのスペーサーを必要とする可能性があります。5mm嵩上げ出来るベアリング嵌合部を持つステムを探すのも大変そうです。

ステムは保留にしてCBR600F4iのフォークセッティングを煮詰めた方が良さそうですね。